『TAKE NOTES!』から何を学ぶか
これまで書いてきた読書メモから内容を抽出し、再構成して、本書から学ぶことをよりやりやすくしたいです。
これまでのメモ
メモの取りかたは注目されない
執筆の方法は、自分ひとりでやっているだけなのでフィードバックが起きず、自然な改善が望めない
ものを書くプロセスは、まっさらな画面や紙に向かうはるか前からはじまっている
白紙から始めるという状況をいかに避けるのか
考えることと書くことの親和性の高さ
置かれた環境が人間に与える影響は大きいという視点
ルーマンという社会学者の存在と彼の方法
彼自身は理論としてそれを展開しなかったが、著者は踏み込んでそれを行っている(それがどれだけ適切なことなのかは判然としない)
構造・枠組みの重要性
枠組みがあれば、すべてを細かく覚えておく必要がない
大きな作業は小さく分割すると進めやすい
小さく同じような作業を繰り返すと、フィードバックが生まれ、改善が望める
計画通りに研究が進むことはない
しかし学術的な研究では、計画を最初に提出されることが求められるだろう。そのような現実との折り合いの付けかたを著者はどのように考えているのか。
メモ術はシンプルが一番
このシンプルは「複雑ではない」という意味ではなくて、むしろ均一な構造を持っているという意味として受け取ったほうがいい。間違いなくこの手法は複雑なもの。
変化に対応できる方法があると嬉しい
ひとまずルーマンの方法
カードの書き方
内容・記述
カードの位置づけかた
連番・枝番
リンク
索引づくり
ルーマンの方法を解釈した著者の方法(その差分が、本書では見えてこない)
カードの種類が列挙されているが、これはルーマンによる命名なのか著者による(あるは別の人間による)命名なのか
名前をつけるというのは非常に重い行為なので、誰がつけたのかは重要
プロセスの紹介
4つの道具の紹介
アイデアを収集したときには、 全体も見るべき
原稿の構成は、印刷して目の前に置いておく
メモには「なぜだろうか」という視点が大事
「思い出すきっかけ」を重視した方がたくさん覚えられる
片方で覚えることができると言いながら、もう片方では覚えることはしなくていいという話が出てくる
削除した項目は、別のフォルダーによけておこう
ベンをとることを習慣にする
こうしてみると、だいたい1/3ほどの序盤で主要な話は終わっていて、後は補足とか重複とかそういう話がばらけて点在しているという感じですね。
とりあえず、ルーマンの方法と、ルーマンの方法を解釈した著者の方法をできるだけ区別したいところです
文献は一度だけ読めば十分、というスタンスは大いに反対したい。
初学者には無理な相談だし、学問の分野によってはそれではまったく成り立たないものもある
同じ本が、時間が経つことで注目する部分が違って見えるというような知的生産の風景も見逃したくない
成果物が大量に生まれていることを誇るのは何か違うのではないか?
とりあえず、ルーマンが考察したslip box論と、ズンク・アーレンスが提唱しているツェッテルカステンは別もの(違うバージョンのもの)として捉えておきたい。
ズンクのものは、効能の謳いかたが科学的態度とは言い難い
その上で、『TAKE NOTES!』を有効に使うとしたらどうなるか?
その1:とにかくそのままやってみる
ツェッテルカステンの方式を提示されたようにやってみる
ただし最初の数ヶ月は「練習」だと思った方がいい
その2:有用な成分を抽出する
ゼロ(白紙)から始めることを避ける
以下によって「考える」ことを日常的に進めておく
日々のメモの書き取り
日々のメモ→カードの処理
処理は、何かしらの文脈に位置づけることを意味する
日々のメモとアウトラインを考える作業は別として扱う
考えることと書くことを結びつけておく(この実践が、日々のメモ書きやその処理にあたる)